YAMA[ヤマ・禁戒・道徳律]
してはいけないこと
これは道徳的なことをしっかりと行おうということです。他人やものに対して守りましょうということで、それには五つあります。
アヒムサと呼ばれるものは非暴力を指します。
これは自分に対しても暴力的な行為はやめるという意味も含むと考えていいでしょう。
あとは正直になりなさいという意味のサティヤ、他人のものなどを盗まないという意味のアスティーヤ、性的な欲求におぼれないということを意味するブラフマチャリア、物質的な欲にとらわれないという意味のアパリグラハがあります。
NIYAMA[ニヤマ・歓戒]
すべきこと
こちらも道徳的な話です。今度は自分に対して守るべき五つの行動です。
自分の内と外をきれいに保つという意味のシャウチャ。
これは内面、そして体、精神などを意味します。
必要以上なぜいたくをしないという意味のサントーシャ。
自分を鍛錬していくタパス。
精神向上に努めるための聖典の読誦を意味するスワディヤーヤ。
献身的な気持ちを持ち、自分の中の神様(いわゆる自在神)への祈念を意味するイーシュワラプラニダーナです。
これらを行うことで心身を浄い状態で保つことができるのです。
ASANA[アーサナ・姿勢]
アーサナとはヨガのポーズのことを指します。先生や人によって呼び方がアサナとなる場合もありますが、基本的には同じものです。
このアーサナは、いわゆるヨガのポーズをするという意味で、それにより、体の中の不純物や滞りなどをなくして、きれいな体にしましょうというもの。そして体の中へと意識を集中させていきましょうというもの。
ヨガのポーズにおいて柔軟なポーズの数々が重要なのではなく、ポーズをする中で体を浄化し、そしてその中で体に起きていることを観察するということが目的なのです。
PRANAYAMA[プラーナヤーマ・調気法]
プラーナとは呼吸とか気(エネルギー)を意味し、ヤーマは、方法などを意味します。
プラーナヤーマとは呼吸法を意味し、ヨガで使用されるさまざまな呼吸法をこう呼びます。
これは、心と体、心と自分の意思を結びつけてくれるものとして考えられ、呼吸は唯一人間の機関の中で自分でコントロールでき、さらには心をコントロールできるものと言われています。
そして呼吸法は、すなわち気(エネルギー)を体に取り入れていく方法で、その調整を行っていると考えられ、調気法とも呼ばれています。
PRATYHARA[プラティヤーハラ・感覚制御]
プラティヤーハラとは、自分からさまざまなものを遠ざけ、外への感覚をシャットアウトすることです。それは感覚の制御とも言われるもの。現代に置き換えると、意外とわかりやすいのですが、テレビやインターネット、ラジオなどで必要以上の情報などが日々入ってきます。それらをいったんなくして、自分のみのライフスタイルにしたら、自分の答えや自分の意見がはっきりと見えてくることがあります。それは外に向いていた自分の感覚を家へと向けたことで、より自分というものが明確に見えたのです。
DHARANA[ターラナ・集中]
ダーラナとは集中を意味します。勉強でもスポーツでも何でもそうですが、ヨガでも集中は必須。
ポーズや呼吸に集中することにより、さらにその次の段階に行けるというわけです。
単にヨガのポーズをしていてもただの運動にしかすぎません。
そして呼吸も最初の段階から意識しないで行っていたら、ただの自然な呼吸にしかすぎません。
一点への集中が高まった後の集中、もっと大きなものとしての集中と言えるでしょう。
それは一点に集中していながら、全体的に広い範囲でも集中しているというものです。
DHYANA[ディヤーナ・照想]
7段階目に当たるディヤーナは、心を静かな状態にする瞑想を意味します。
瞑想はヨガにおいてとても重要な意味を持ちます。
ヤマ、ニヤマという道徳的な段階を経て、ポーズと呼吸という修練をし、そしてさまざまなものとの遮断を行い、集中を増し、その次の段階に見えてくるのがこの瞑想。
瞑想とは、状態を表す言葉で、自分の中への集中が高まった状態が、瞑想状態であるといってもいいでしょう。
心を静かに、きちんと自分と向き合い、頭の中も心の中もクリアな状態を指すのです。
このディヤーナが日本において形を変えたものが禅に当たります。
SAMADHI[サマディ・悟り]
~すべてのものと一体感を心の底から感じよう~
繰り返し行われる至福のような状態を表す時に「三昧」と用いますよね。
ヨガでは最終段階のことを言い、悟りを開くとか、悟ったという状態はここに達したことを意味します。
それは瞑想の奥に存在し、自分と本来の自分がつながるとか、神様との一体化とか、さまざまなものとの一体感を感じている状態などを指すのです。
とてもスピリチュアルなエリアに入る言葉ですが、やさしく考えると、自分や他のものとの一体感を感じられることで、自分の中がとても幸せで満ちあふれた状態になることと考えていいでしょう。
毎日の生活に取り入れたいヨガ哲学「八支則」(はっしそく)を生活に取り入れて心も身体も幸せに過ごしましょう。
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